イケメン同期から全力で逃げてますが、逃げ切れる気がしません!
パタパタ、熱っぽくなった顔を扇ぎながら、ふとそのワイシャツの状態が目に留まった。
「ご、ごめんね。うち、着替えがなくて」
一晩そのまま寝ちゃったやつだから、相当シワになってる。
申し訳なく思って謝ると、彼はあっさり首を振った。
「出勤前に一度帰るから大丈夫。これで前の男の服とか置いてあったら、そっちの方が焦る」
「そ、そっか」
その通りだ。
ナルホド、と心の中で頷いていたら、ふいに彼が頬杖をつき、こっちを覗き込んできた。
「美弥子がうちに泊まる時は、何も持ってこなくていいぞ? 隣がコンビニだから大抵揃うし、服は――」
「まさか、元カノの服が残ってるとかじゃないでしょうね?」
ムッとしながら聞くと、ニヤニヤしたまま彼が首を横にする。
「いや、オレのやつ貸してやる」
「へ? そ、それって……」
彼シャツってやつでは?
ぶかぶかの服に包まれる自分を想像して、ボンっと体温が上がった気がした。