イケメン同期から全力で逃げてますが、逃げ切れる気がしません!

「えっと、今夜なんだけどね、久しぶりにブルームーン行こうと思うんだけど……、一緒に行かない?」

言うなり視界の端に、ぴくっと宙で固まる彼の手が映った。
それはそのまま、ゆるゆると指先を握り込むように拳となり、わたしから遠ざかっていく。

「今日は、難しいな。ちょっと……遅くなる」

予想通りの答え。
でも、こっちだってせっかくのチャンスを逃すわけにはいかない。

逸れていく視線を追いかけ、問い詰めようとしたわたしだったけれど。
ふと――あれ、と目を瞠った。

目の下、クマ、だよね?
肌がきれいだから、余計に目立つ。
それに、なんとなく顔色も悪いような……
照明の加減でそう見えるだけ?

「坂田くん? ねえ、あれからちゃんと寝れてる? 顔色、なんかよくな――」

もっと近くで確かめたいと、伸ばした手。
でも。

パシッ……

と乾いた音がして、振り払われたことを知った。


「坂田、くん……?」

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