イケメン同期から全力で逃げてますが、逃げ切れる気がしません!
もしかして、本当に何かが起こってるんじゃないの?
お金で解決しなきゃいけないような、何か。
トラブルに巻き込まれてる、とか……?
「あっ! 美弥子、こっちこっち! こっちやでー!」
グリーンのワンピースに、赤バッグって完全なるクリスマスカラーの恵美がブンブン手を振っている。(読者モデルなんてしてるくせに、彼女のファッションセンスがイマイチなのはなぜだろう)
「受付とクロークはあっちやで。行こ!」
ロビーには旅行客をはじめかなりの人がいて、彼女に注目してたけど、もちろんお構いなし。
相変わらずのマイペースで手招きされて。
……でも、動けなかった。
心のどこかで、もう一人のわたしが囁く。
本当にこれでいいの、と。
彼の優しさは、ぬくもりは、本当だったんじゃないの?
直接、ちゃんと話をした方がいいんじゃないの? と……
「ごめん、恵美。わたし……行かなきゃ!」
「はぁ!?」
叫ぶ恵美をその場に残し、わたしは駆けだしていた。