イケメン同期から全力で逃げてますが、逃げ切れる気がしません!

いくら暖冬とはいえ、真冬には違いない。
夜間は当然ぐんと冷える。
凍える身体をコートの中で丸めるようにして、ひたすら待った。

ほんと、何やってるんだろうな。

こんなとこまで押しかけちゃうとか。
これでわたしも、イタイ女の仲間入りだ。

白い息を手に吹きかけ、寒さに強張った唇で笑う。

でも、イタくていい。笑われてもいい。
それでも、やっぱり彼を信じたいから――……




……うぅ、寒いな。
コンビニでカイロ、買って来ようかな……でもその間に帰ってきたら……

そんなことを考えたり、少ない星を数えたりして、どれくらい待っただろう。


唐突に視界の端でチカッと光が瞬いた。

車のライトだ。それはぐんぐん近づいてきて……タクシーだと気づいたわたしは、とっさにそばにあった自販機の影に身を潜めた。

時間はまだ随分早い。
もしかして、坂田くんじゃないのかもって思って――

けれど。
開いたドアから長い足、そして見覚えのあるしなやかなシルエットが現れると、ドキリと心臓が高鳴った。

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