イケメン同期から全力で逃げてますが、逃げ切れる気がしません!
あぁほんとにやだ、どうかしてる。
名前呼ばれたくらいで、いちいち意識しちゃうとか。
「な、何?」
声が震えないようお腹に力を入れて振り返ると、彼が自分のカバンを探ってて……お財布?
「タクシー使って帰れ。もう遅いから」
差し出されたのは、1万円札だった。
「え、大丈夫だよ。まだ電車あるし」
「いいから! 絶対タクシー使え。さもないと」
手の中に無理やりお札を押し付けられて、子ども扱いされたみたいでムッとする。
「さもないと? 何よ?」
睨みつけるわたしへ、ふと妖しい眼差しが落ち――見惚れる間もなく、ぐいっとお金ごと手を引かれた。
一気に限りなくゼロに近くなった距離に、バクン、と鼓動がジャンプする。
「ここに閉じ込めるぞ? オレと一緒に、朝まで」