イケメン同期から全力で逃げてますが、逃げ切れる気がしません!

ええと、大衆食堂っぽい素朴な感じの、好感の持てるお店だった。
食べたのは、カニクリームコロッケと、カレーチーズコロッケと……とにかく、限定のコロッケミックス定食。ちょっとお腹がきつくなるくらいボリュームがあって、サクサクほくほくでおいしかった……そんなところか?

「河合さんが並んでくれていたおかげで、すぐ座れて助かりました。じゃなかったら、時間内に戻れたかどうか」

頭を下げると、いえいえ、と人のよさそうな顔が綻ぶ。
「僕はあまり気の利いた会話とかできませんし、あなたに喜んでもらうにはこれくらいしか……」

照れたような笑顔に、罪悪感がこみあげた。
食べている間中わたしが上の空だったこと、気づいてない感じだな。

悪い人じゃない、それはわかってる。
不器用ながらも好意が伝わってくるし、一生懸命で真面目で、いい人だなって思う。

外見的な違い――坂田くんの方が背が高いとか、イケメンだとかセクシーだとか――なんか、大きな問題じゃない。
それはどうでもいい。

河合さんみたいな人とつき合ったら、穏やかに過ごせるって気がする。
ドキドキもハラハラもなく、毎日平穏にスムーズに……

……とは思うんだけど。

時期が悪い。今のわたしには、彼と向き合うだけの余裕がないんだ。
今日なんか特に。

なぜなら……

頭の中が、昨夜の飛鳥との電話のことでいっぱいだったから。

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