イケメン同期から全力で逃げてますが、逃げ切れる気がしません!
奥からか細いすすり泣きが聞こえてきて、びくぅって背筋に冷たい何かが走った。
空耳かともう一度耳をそばだてるも、その泣き声はやっぱり切れ切れに聞こえてくる。女性、みたいだ。
ちょっとちょっと待って。
こんな真冬の、しかも真昼間から怪談とか、勘弁してよ。
わたしそういうの、絶対ダメなんだから!
「あの? どうしました?」
一瞬、業者さんに確認してもらおうかと虫のいい考えが過ったけど、いやいやと首を振る。
これはわたしの仕事。責任もってやらなきゃいけないのはわたしだ。
「ちょっとここで待っててください」
ドア口に待っててもらい、えいっと中を覗き込む。
薄暗さに目が慣れてくると、何列も続く棚が見て取れる。
やっぱり誰もいないような……
いや、違う。
「っひぃぃっ……、……ぇ、っ……ふ、」
切羽詰まった感じで、声が高くなった。
咽び泣いてる、みたいな……。