イケメン同期から全力で逃げてますが、逃げ切れる気がしません!

「恵美? もしかして、坂田くんの祝勝会、まだいるの? 黒部さんはどうし――」
『ちょっとぉ、坂田と付き合うてたて、なんで言わへんのぉ!』

「え?」

『今さっき飛鳥から聞いて、腰抜かすかと思うたやん』

「あれ、恵美知らなかったっけ?」

『知らへんわ! ええから絶対河合さんにしとき! 坂田はダメやで! あんな女ったらし、あんた泣きを見るだけ――「ちょっと恵美! 変なこと美弥子に吹き込まないで!」』

割って入ったのは、飛鳥の声だ。

『美弥子? ごめんね、なんか恵美、デートがドタキャンになったとかで荒れてて。気にしないで。今日はやっぱり来れないの?』

「あ、うん。ごめんね」

『ううん、大丈……あぁもう、恵美っしっかりしてよ! こんなところで寝ないで! あ、美弥子、じゃあね!』

返事も待たずに一方的に切れた通話に、苦笑い。

面倒見のいい飛鳥は、こういう時放っておけないんだよね。
新人研修の時も、反省会という名の飲み会で酔っぱらっちゃった恵美のこと、毎晩のように自分の部屋に泊めてたっけ。

全然変わってないなぁ、なんて懐かしく思いながら、アパートのエントランスをくぐった。

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