イケメン同期から全力で逃げてますが、逃げ切れる気がしません!

こんなことなら、祝勝会に行くって、飛鳥に言えばよかった。
そうしたら、現れないわたしに気づいてくれたかもしれない。

けど――もう遅い。


河合さんはしゃがみこみ、その表情の消えた顔をわたしへ寄せた。

「そうですよ。僕なら君を救える、救わなきゃいけない。あんな危険人物、君にはふさわしくありませんから」

「危険……人物?」

「写真、見ましたよね? 坂田慎太郎は、反社会的勢力と付き合ってる。そして誰彼構わず暴力をふるう、そんな危険な男なんだ」

「何言ってるんですか……? 彼は暴力なんて振るったりしない。あの時だって、わたしを助けるためでっ! こんなの、ただのでっちあげっ――」
「黙れ!」

ダンッ! 

彼がフローリングの床に拳を振り下ろし、恐ろしさにギュッと目を閉じた。

「いいか? 本当はどういう人間か、なんてこの際大きな問題じゃない。この写真を見た人間が、判断するんだから」

口調を、ガラリと乱暴なものへ変え。
河合さんは床に散らばった写真を一枚手に取ると、それでピタピタとわたしの頬を叩いた。
「例えば、こいつをネットにバラまくと……さて、みんなはどう判断をくだすだろうね?」

「なっ」
嘘でしょ……

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