イケメン同期から全力で逃げてますが、逃げ切れる気がしません!
ボイスチェンジャーで声を変えた相手は、坂田くんのリア充生活を罵り、それを壊してやると凄んできたそうだ。
「最初から、女だとは思わなかったな。あいつが電話の中で挙げたのは、オレの仕事や会社のことだったから」
以前自分が仕事を奪った、ライバル社の営業マンあたりだと思っていたのだという。
つまり下手に騒ぎ立てれば、会社同士の軋轢にもつながりかねない。
だから彼は静観を選び、ことを荒立てずに解決する方法を探っていたんだそう。
「それで、わたしや宇佐美さんたちと距離をとったのね?」
「まぁな。実名挙げて、『いつまでも仲良くしてられると思うなよ』とか言われて、こいつはヤバいなと思って」
その後、ファックスや脅迫電話と、嫌がらせはエスカレートしていく。
もちろんその間、ただ傍観していたわけじゃない。
知り合いの弁護士と相談して、警察に持ち込めるだけの情報と証拠を集めていたのだとか。
「ところがどれだけ調べても犯人にたどりつかなくて……まぁ見当ちがいなところを探してたんだから、当然だけど。で――事態が動いたのは、あの時だな。会社の前でランチから戻ってきたお前たちと会って、自己紹介しただろ? 実は2人の会話、少し前から盗み聞きしててさ。その時、ピンときたんだ。もしかしたらこいつかも、って」
え、って絶句しちゃった。
「なななんで!? なんでわかったの!?」