イケメン同期から全力で逃げてますが、逃げ切れる気がしません!
明日お伺いする約束を交わして通話を切ってからもしばらく、興奮状態が収まらなかった。
「反則だよ。あんな綺麗なお母さんなんて」
「それ以上褒めるなよ。どんどん調子にのって、手がつけられなくなる」
「だって、あの美しさはただ事じゃないよっ! 美魔女って、こんなに身近にいるんだね」
「そう見せてるだけ。実年齢はそろそろ50だ」
ひぇえ~アラフィフ! あれで!
見えない~!
感心しながら小さく叫んでいたら。
「――で、美弥子?」
身を乗り出した彼の低い声音が耳元の空気を微かに震わせて、わたしはソファの上でビクッと身をすくめた。
「は、はい?」
「いい加減、納得したんだろうな? お前だけだって」
おずおずと目を上げれば、「ん?」って真っすぐ、誘うような色めいた眼差しが注がれる。
気持ちごと絡めとられて……もう、全身へ熱が伝播していくようで。
「オレのことどう思ってる? あの時聞けなかった返事、聞かせてくれよ」
あの時……ってたぶん、トライアルの最終日のことよね。
――わたしの返事、聞きたくない?
猛烈に気恥ずかしさがこみあげてきて、逃げ出したくなりながら視線を揺らしてしまう。
どう思ってるか、なんて。
こんな真っ赤になって震えてる時点でバレバレだと思うけど。
でも、ちゃんと伝えなきゃ、ってわたしはためらいがちに口を開いた。
「あの、えっと……」