イケメン同期から全力で逃げてますが、逃げ切れる気がしません!
「……え?」
ぽろっとこぼれたつぶやきに、とっさに反応できなかった。
え、気持ち……伝えた?
「どど、どういうこと? だって、全然何も言ってくれてないよね? 好きだとかそういう――」
「はぁあああ……」
重々しいため息に、言葉が遮られた。
「え? え? 何?」
振り返ろうとするんだけど、きつく抱きしめられていて、あまりうまくいかない。
それでもわずかに、アッシュブラウンの髪の間から、赤く染まった耳が見えた。
「……アイビー、贈っただろうがっ」
「アイビー……って」
ぽかん、て口が開いちゃった。
「美弥子なら知ってるかと思って……それで」
「知ってるって……まさか、花言葉っ?」
「なんだ、知ってたのか?」
「し、知ってたよ。けど、坂田くんそういうの疎いって言ってたじゃない! だから、全然関係ないのかと……」
「疎いよっ! だから、店員に聞きまくって、めちゃくちゃ揶揄われながら選んだんだよっ!」
なのに伝わってないとか、オレ可哀そすぎだろ、なんて。
ブツブツ聞こえてくる独り言がくすぐったくてたまらない。
じゃあ、あれはやっぱり彼の気持ちで間違ってなかったんだ。
アイビーの花言葉――“永遠の愛”……。