イケメン同期から全力で逃げてますが、逃げ切れる気がしません!

子ども……ってこと?

「うん、うん! もちろん大賛成だよ。でもね……」

一瞬口ごもり、けれど言わなくちゃと思い直す。

「わたしも仕事は続けたいし、だからその……、一緒に子育て、頑張ってくれる?」

上目遣いにそっと伺うと、くしゃっと笑み崩れる彼が見えた。

「当たり前だろ? 家事だってやるし、育休もとって協力するから」

「え……お休みとってくれるの? 無理しなくていいよ?」

そりゃ嬉しいけど……何しろ営業部のエースだ、そんな簡単にはいかないよね?

そう続けた途端、くつくつと肩が揺れ出した。

「何のためにMVPまで獲ったと思ってるんだよ。誰にも文句は言わせねえ。上限ギリギリまで休むからな」

ニヤリと不敵な微笑まで見えて、「え」と絶句。

「まさか、MVP狙ってたのって、育休のためっ!?」

ぶはっと彼が吹き出した。

「それだけのため、っていうか、それも含めた家族計画のため、かな。オレにとっては、仕事よりなにより、これから先、美弥子と過ごす時間の方が大事だから」

「え――……慎ちゃんっ……」

身体の奥底からぐっとこみ上げてくる何かを感じて、きつく唇を結んだ。
瞼の裏が、熱かった。

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