イケメン同期から全力で逃げてますが、逃げ切れる気がしません!
「イベントで……ちょっと知り合った人」
「イベント、ねえ?」
う。坂田くん、やけに絡んでくるな。
婚活だって気づいてる?
「まさか、連絡とったりしてねえだろうな?」
「してないよっ。名刺もらったことだって、今の今まで忘れてたくらいだし」
だいたい、あのイベントが台無しになったのは、あなたのせいなんだけど!
責めてしまいたい気持ちをぐっと堪えて、睨み返す。
「ふぅん……まぁいいや。これはオレが預かっとく」
「え?」
反論する間もなかった。
彼がそれを、他の名刺と共にダッシュボードに放り込んでしまったから。
「ちょっ……何するのよ!」
「考える、とは言ったが、返す、とは言ってない」
「は!?」
「お前には必要ないだろ」
「なっ……どうして勝手に決めるのよ? ひどいよ、あんまりよっ! こんな嫌がらせするなんて! だいたい今日だって、なんでいきなり参加できてるの!?」
「なんでって……抽選に当たったから、だろ?」
シートベルトをしめながら、こっちを見もせず淡々と答える彼に、
はぁ!? って。
眉毛が爆上がりしちゃったわよ。