宇佐美くんの口封じ




背中に感じた感覚と、次に来た浮遊感。
キャハハという、私を嘲笑うような笑い声。


視界が歪み、衝撃と共にじわじわと痛みが襲ってきた。






「宇佐美くんのこと独り占めするからこうなるんだよ?玲くんにも手出してるらしいし」


「ブスのくせに有り得ない。あの二人はみんなのものなの」


「あんたみたいな奴、痛い目見ないとわかんないかと思って」






口々にそういう彼女たち。

どうやら私は、階段から突き落とされたらしい。



段差は急ではなかったしそんなに段があった訳でもなかったけれど、全身を強打したからか思うように身体が動かなかった。

感覚からしてどこからも血は出ていない。
擦りむいた程度だろう。

多分、痛いのも今だけかもしれない。



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