宇佐美くんの口封じ

「…はぁ？」

「あんたらなんか、せんぱいがいようがいまいが依里にも青戸くんにも相手にされてないっての。そのくせ"みんなのもの"とかほざくの、マジでダサいから辞めな？僻(ひが)んでるみたいで醜いよ？」

「なん、…なんなのよあんた！」





そこには何故か、私を嫌っていたはずの麻央さんの姿があったのだ。



麻央さんはハッと小馬鹿にするように笑い、階段をおりて私の前でしゃがみこんだ。




「なにやってるんですかせんぱい〜、ブスたちに落とされるとか間抜けすぎですよぉ？」

「…っ、え、なんで、…」

「依里に選ばれてるんだからこんな女に負けないでくださいよぉ。ね、試しに『お前らの方がブスだよ黙れブース』くらい言ってやってもいいと思いますけどどうですかぁ？」

「…いや、それは…」




ニコニコと笑みを浮かべてそういう彼女。

私は突然の出来事にプラスして突然の麻央さんの登場に、頭が追いついていなかった。