宇佐美くんの口封じ
宇佐美くんの低い声。
怒っているのだろうか。
でも、どうしてだろう。
私のことなんかもう嫌いになったはずなのに。
私を落とした女の子たちに怒りを表している宇佐美くんを見たら、……私はまた、期待してしまう。
「依里、この子達はあたしに任せてよ。…せんぱい、早く手当しないと…痛そうだよ」
麻央ちゃんの言葉に頷いた宇佐美くんが踊り場から降りてくる。
そして私の前にしゃがみこむと、申し訳なさそうに言葉を落とした。
「…俺のせいで…すみません、」
…違うのに。
これは天罰だったんだ。
私なんかが宇佐美くんと一緒にいていいはずがなかったんだ。
宇佐美くんのことを好きになるなんて何億年も早かった。