宇佐美くんの口封じ




……え?



「せんぱい、こいつらに落されたんだって」



踊り場に姿を表したスケット​───宇佐美くんが、私の姿を捉えて目を見開いたのがわかった。




「…せんぱい、……は?なんで、」

「全身強く打ったみたい。歩けなさそうだから依里が運んであげて?あたしはこの子達にオハナシがあるからさ」




声は聞こえるけれど、どんな表情で麻央ちゃんがそれを言ったのかは見えなかった。

…でもなんとなく想像出来てしまうのは、かろうじて顔が見える女の子たちの顔が物凄い勢いで青ざめていったから。



宇佐美くんに見つかってしまったことの焦りと、麻央ちゃんからの圧が同時に襲いかかったせいだろうか。




「…お前らがやったの?」

「っち、ちがうの…っあの女が、宇佐美くんに近づくから、っ」

「なにが違うんだよ…ふざけんな、」




今にも泣きそうな彼女たちが、私から目を逸らした。


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