宇佐美くんの口封じ



「っ、雅、」

「…え、雅さん?」




サラの前に立っていたスタンドマイクを自分の目の前に持ってくる。
メンバーの驚いた声がしたけれど、気にしている間はなかった。





宇佐美くんが驚いたように私を見ているのが分かる。

サラが泣きそうになりながら私を見ている。

玲と遥馬は突然マイクを手に持った私に動揺しながらもいつも通りの音で支えてくれている。




声が震える。手が震える。

みんなが私を見ている。

怖くて怯みそうになるけれど、それでも私は後悔していなかった。






「最後の曲になります。聴いてください​───…」








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