それからの日々
みどりと洋史は、それぞれの子どもたちみんなを連れて出ようと思っていた。
でも……できなかった。
土下座までして頼んだが、許してもらえなかった。二人の間に生まれた下の娘ですら、一緒に連れて出ることは許されなかった。
みどりの娘たちは前夫に、洋史の息子は妻に引き取られ、育てられることになった。
それ以来、みどりも洋史も子どもには会っていない。
だが、みどりはこっそりと二人の娘の運動会などは見に行っていた。
今では上の娘はすでに三十歳を超え、洋史との下の娘も二十五歳を超えているはずだ。
にもかかわらず……みどりの記憶に残る娘たちはまだ子どもの頃のままである。