それからの日々

みどりは、リビングの掃き出し窓をがらりと開けた。

とたんに海からこの六甲アイランド(人工島)に吹き込む浜風が、彼女の肩までの髪を(なぶ)る。

乱れた髪を抑えて晴れた青い空を見上げると、真っ白な薄い雲がまるで箒で掃いたかのように筋状に流れていた。

彼女はよいしょ、と洗濯したばかりの衣類が入っているカゴをベランダへと出した。

そして、一番上にあった洗濯物を手に取る。
ユニクロで買った彼のボクサーブリーフだ。

彼女はそれを慣れた手つきでピンチハンガーに干すと、すぐにまた次の洗濯物を手にした。

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