それからの日々

「ええの?
……わたしなんかが、智史くんに()うても」

両手でマグカップを包み込むみどりの指に、力が(こも)る。

「あいつがどう思うかわからへんけど、あれからずっと一緒におるのは……みどりやから」

洋史は口を歪めて、ふっ、と笑った。

あれ以来、彼が心の底から笑うことはもうない。
たぶん、みどりもだ。


……なんて言われるねやろ?
なにを言われても……なにも言われへんけれども。

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