近くて遠い君へ
俺は走り
結花の元へと
急いだ。



「ちょっ‥佳晃!!?」



母の声が聞こえた。

けど‥
立ち止まる事が
出来なかった。





「ハァハァ‥結花!」



結花の前に
立つ。



結花って‥
こんな小さかったか?



抱きしめたかった。
抱きしめたがる
俺の手を止めたのは‥





カズの存在──。




「佳晃‥結花ね‥」



結花の目から
溢れ出す涙。


ポロポロと流れる涙が
すごく綺麗だった。


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