心を ほどいて  ~コーディネーター麻里絵

関根さんの 打ち合わせを終えて

事務所に 戻ると 意味深な視線を浴びる。

「麻里絵ちゃん 田辺のどこに 惹かれたの?」

単刀直入な 店長の質問に


「それは 2人だけの秘密で。」

私は サラッと答えるけど。

純也は 申し訳ないくらい 照れている。


「あー。前 麻里絵さん 彼のこと 優しくて 頼りになるって 言ってましたよね?」

薫ちゃんは 私の言葉を 覚えていて。

「田辺 優しいか?営業のくせに 無愛想だし。」


店長は 納得しない顔で 私を見る。


「いいんです。私にだけ 優しければ。」

「まりえ。」

調子に乗る私に 照れた純也。


「もう。熱すぎて 見てられないです。」

テンポが早い薫ちゃんに 苦笑して。

「じゃ 良いお年を。」

と言って 私は 事務所を出る。


純也は 今夜もきっと お仕置きと言う名の ご褒美で 私を寝せてくれないだろう。




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