心を ほどいて  ~コーディネーター麻里絵

控え目な ノックが聞こえて

細めに開いたドアから 理沙が覗く。


「麻里絵。綺麗… おめでとう。本当に よかったね。」

控室に入ってきた 理沙とご主人。

私達より 一足早く 5月の連休に 結婚式をした2人。


「理沙。来てくれて ありがとう。」

「ううん。こちらこそ。先月は ありがとう。」

理沙のご主人の 謙介さんは 5才年上の 同僚。


私達は お正月明けに 4人で会った。

大らかで 明るい 理沙のご主人と

純也も すぐに 仲良くなって。


これから 家族ぐるみで 付き合っていけそう。


理沙達の結婚式に 私は 純也と一緒に 招待されて。

今日は 理沙も ご主人と一緒に 来てくれた。


「やっぱり 純也君は イケメンだな。麻里絵ちゃんと お似合いだよ。」

「止めて下さいよ 謙介さん。それでなくても 照れるのに。」

「もっと 照れろよ。一生に一回のことなんだから。」

「そうよ 純也君。苦労して 手に入れた 熱愛する花嫁じゃない。」


謙介さんと 理沙に 冷やかされて。

純也は 幸せそうに 頬を赤らめていた。




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