サヨナラなんて言わない。
これは私の変わらぬ願い。

きっと生まれ変わってもそう思う。

「2人がずっと一緒にいて、その子供として生まれ変われたら私は幸せなのに…」

ぽつりと花火があがる空に呟く。

まぁ、そんなことは難しいか。

第1、生まれ変わったとしても私は蓮花としては産まれないもんなぁ。

考えてみると変な考えだなあ、やめよう。

私はまた花火を背にして家までの帰り道を歩く。

これで、私のできることも終わりだなぁ。

あとはもう、自分の命がつきる時を待つのみ…。

そう思うと目頭が熱くなった。

そして視界がにじむ。

"死"が近づいてくることは私にはもう理解ができていること。
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