桜の色は、藍色の花…
今日は、今年最後の日。
飯番の元遊女達は、大忙し。
全員分のおせち作り。
それに加え、いつものご飯…。
台所は、戦場だった。
一方、遊女達は、二十九日から、休みに入り、のんびりと過ごしていた。
禿は、ご飯の支度があるので、ゆっくりは、出来なかった。
それでも時間を見つけて、あたしともみじは、ゆきのの部屋で、百人一首をして遊んでいた。
「かがりちゃん、強過ぎ!!
手加減してよぉ。」
「だーめ!
しないもーん。」
そこに、みつばが来た。
部屋に入った、みつばは、あたし達を見た。
「なんだい。
あんた達も居たのかい。」
あたし達は、返事した。
ゆきのは、みつばに話しかけた。
「みつば、どうしたの?
この子達が居たら、話しにくい事?」
「いえ。」
そんな事、ないです。
明日の事なんですけど…。」
「明日?
明日が、どうかしたの?」
「神社に行きたいんです。」
「神社…?
いいけど…。
一人で行くの?」
「そうしようかと…。」
「なら、行きたい、禿も連れってってあげて。
勿論、行きたい子だけ連れて。」
「分かりました。」
そこで、もみじが、てを挙げた。
「私、行きたいです!!」
「あたしも!!」
「もみじはいいけど、かがりは、若い衆に言った方がいいよ。
お前に何かあっても、責任取れないし…。
だから、若い衆に、頼んで。」
「分かりました…。」
「では、私は、失礼します。
かがりも、もみじも、姉さんに迷惑かけるんじゃないよ?」
あたしと、もみじは、返事した。
みつばは、一礼して、出た。
晩ご飯の後、あたしは、おせんに呼ばれた。
「明日と明後日のことを教えよう。一日も、二日も、楼主から、みんなに、着物が送られる。
だから、寝間着のままで、下りて来るんだよ?」
「分かりました。」
「それから、仕事は、二日から。
一日は、自由に過ごしていい。
但し、大きな門…、大門は出ないように!
他の見世の太夫や格子太夫にあったら、礼儀正しく挨拶するんだよ?」
「分かりました。」
「それから、明後日、大門が開いて、色んな人が来る。
桜祭りの時みたいに、女も、子どもも、来るからね?」
「分かりました。」
「後、太夫のお世話になっている、茶屋に行き、新年の挨拶をする。
その時、一番前を禿の二人が歩き、太夫が歩き、新造二人が歩く。
道中を歩く子は、着物も、小物も、髪型も、綺麗にしてもらって、歩くんだよ。
この時の禿は、お前と、もみじにする。
もみじには、後から話す。
お前は、部屋に戻りな。」
「はい。
分かりました。」
あたしは、自分の部屋に戻り、晩ご飯まで待った。
晩ご飯を食べて、明日のことを、話して、楽しく食べた。
あたしは、再び、自分の部屋に戻り、眠った。
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