桜の色は、藍色の花…
 一ヶ月後ー。
 今度は、なつめが、十四になる日が、近づいてきた。
 ある日の早朝、おせんは、禿の部屋に来て、なつめを起こした。
 「なつめ。
わたしの部屋に来なさい。」
「はい。」
 なつめは、着替えて、布団を片付け、おせんの部屋に向かった。
 おせんの部屋に着くと、なつめは、おせんの部屋に向かって、声をかけた。
 「失礼します。
なつめです。
入っても、よろしいですか?」
「なつめ、入っておいで。」
「はい。
失礼します。」
 なつめは、おせんの部屋に入り、おせんに言われた通り、おせんの正面に座った。
 「なつめ。
お前も、一週間後には、十四になる。
十四になった日に、わたしの部屋に来なさい。
分かったね?」
「はい。」
「じゃあ、禿の仕事に戻りな。」
「はい。」
 なつめが出ると、おせんは、ひさのの部屋に行った。
 「ひさの。
おせんだけど、失礼していいかい?」
「どうぞ。」
「じゃあ、失礼するよ。」
 おせんは、ひさのの部屋に入った。
 「ひさの。
なつめのことだけど、一週間後に、十四になる。」
「知っているさ。
着物と小物だろ?」
「そうなんだよ。
昼見世の後に、呉服屋を呼ぶからね。
用意してやっておくれ。」
「分かった。
後、呉服屋が来たら、かがりを連れて来て欲しい。
あの子の目利きは良いと聞く。
頼むよ。」
「分かった。
用意するのは、留袖だから、間違わないでおくれよ?」
「分かった。」
 昼見世の後、あたしは、おせんに言われた通り、ひさのの部屋に行った。
 「かがりです。
ひさの姉さん、お呼びでしょうか?」
「かがり、入りな。」
「はい。
失礼します。」
 あたしは、ひさのの部屋に入った。
 すると、既に、呉服屋は、来ていた。
 「かがり。
なつめに似合う、着物と小物を選んでおくれ。」
「分かりました。」
 あたしは、なつめに似合う、着物を選び、それに合った小物を選んだ。
 「かがりは、噂通り、目利きがいいね。」
「ありがとうございます。」
 呉服屋も、あたしの目利きに、感心していた。
 「相変わらず、いい目利きですなぁ…。
かがりさんは、良い太夫になれますよ。」
「そんな…。
ありがとうございます…。」
 あたしは、照れた。
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