桜の色は、藍色の花…
 吉原に来て、五度目の桜祭りの日がきた。
 毎年のことだけど、あたしは、嬉しくて、心が、踊った。
 楼主に、お金を借りに、行く時、あおはがぶつかってきた。
 あたしは、階段から落ちかけ、たまたま通りかかった、岡田に助けられた。
 「かがりさん、大丈夫ですかい?!」
「ありがとう。
岡田。」
 あたしは、あおはを睨んだ。
 「かがり。
何よ?
その目は?
あたしの方が上なのよ?
しかも、若い衆を呼び捨て?
本当、偉くなったものねぇ。」
「元々、若い衆のことは、呼び捨てです!
あおは姉さんこそ、ぶつかって、何もなしですか?
それでも、元格子太夫ですか?
岡田がいて、助かったのは、あおは姉さんの方ですよ?」
 そこに、楼主が、騒ぎを聞いて来た。
 「まぁた、あおはか?!
今度は、何をやらかした?!
岡田、説明しろっ!!」
「へぇ!
あっしが見たのは、かがりさんが、階段から落ちそうになったとこですが、あおはさんとかがりさんの話しを聞くと、あおはさんが、かがりさんに、ぶつかったと…。」
「あおは!!
おめえさんは、まだ、分かってねえのか?!
かがりは、この見世の大事な子だ!!
なんて事をしやがるんだ?!!
おいっ、岡田っ!!
あおはを折檻部屋に入れておけ!!」
「へいっ!!」
「何で、あたしだけなのよ?!
かがりは?!!」
「かがりを入れるわけねぇだろ!!
かがり、でぇじょうぶか?」
「はい…。
岡田のおかげです。」
「かがり!
また、若い衆を呼び捨てに…!!」
「かがりは、特別なんだ!!
わしとおせんが、許してんだっ!!」
 あおはは、また、折檻部屋に入れられた。
 折檻部屋に連れて行ったのは、池田だった。
 あおはが、連れられていくと、楼主に声をかけられた。
 「かがり、桜祭り行くのか?」
「はい。
その為に、降りて来ました。」
「分かった。
わしの部屋に来い。」
「はい。」
 楼主は、岡田を見た。
 「岡田!!
よく、かがりを守った!!
桜祭りに連れてってやれ!」
「へい!」
 あたしは、お金を借り、岡田を連れて、桜祭りに行った。
 今年は、団子屋で、他の見世の太夫達に会い、一緒に過ごした。
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