砂上の城〜秘密を抱えた少年の数奇な運命
カインが出した問いにアベルは軽く取り組み始める。だが、次第にその顔が曇り始め、眉間にしわを寄せ、時間だけがどんどん過ぎていった。

「2のやつは、商人だ。3は、大工に間違いない。つまり、答えは、1のやつ。こいつがウソつきだ!!」

アベルは、手元に書きなぐった図を示しカインに説明する。カインはうなづいた。

「正解です」
「やった!
じゃーな、カイン。俺は遊びに行くぜ。あとの課題はよろしく!」

勝ち誇ったように、意気揚々と出かけようとするアベル。

「お待ち下さい、殿下」
「なんだよ、カイン。俺の勝ちだろ?」

カインは、師レオポルトの課題を指差す。

「この課題、終わっていますよ」
「…は?」

実は今のゲームは課題の問いをクイズ形式にしただけだったのだ。

「……やられた。
カイン、お前ホントすごいなぁ。面白いやつだよ」

アベルは笑ってカインの肩を叩く。

カインはアベルに気に入られようと機嫌をとったり、愚王子だと端からバカにしたりしない。それだけでも気に入っている。
その持ち前の洞察力でアベルのどんなイタズラも見破る。ただのイタズラに対しては寸前で制止してみたり、意味のあるイタズラならそのままやらせたりとうまい具合にアベルを制御するのだ。

言わなくてもわかってくれる。
それが何とも心地よく、誰より信頼するようになっていた。


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