砂上の城〜秘密を抱えた少年の数奇な運命
「アルス。アルセウス・オルディン」
ふわり、とカインはアルスを優しく抱きしめた。
「過酷な運命を背負わせて、すまない」
カインと同じ銀の髪。アイスブルーの瞳は不安に揺らめいている。
一番目立つオルディン家の特徴を受け継いでくれたことは、神に感謝しかない。
「わかりました。僕、精一杯がんばります」
あぁ、この顔は。
ブリュオー行きが決まったときにアベルが見せた諦めと新たな決意を抱いたあの時の顔と同じだ。
ーーアベル。
どんなに遠く離れていてもアルスはあなたの息子で、こんな形で終わらせる私の人生で唯一誇れる宝物。
子供らしく無邪気な時間を過ごさせてやれなかった。けれど、いつの日かアベルがこの地に戻ってきた時、少しでも肩の力を抜いて子供でいられる時間を与えてもらえたらと願う。
「一つだけ、お願いがあります。
どうかカインは遠くに行かないで。父でも母でも僕の親に変わりはないし、僕はカインが大好きだし。
僕を一人にしないでください」
アルスがカインにぎゅっとしがみつき、胸に顔をうずめた。
今まで大人顔負けでやり取りしていたアルスが見せる年相応の仕草に、カインの心はひどく痛む。
どこにも行かないで。その言葉にアルスの心の傷を知る。大好きだったアベルが去っていってしまったことに今でも深く傷を負っているのだと。
「もちろん。今まで通り毎日、君が眠るまで本を読んであげる。私はどこにも行かないよ」
ふわり、とカインはアルスを優しく抱きしめた。
「過酷な運命を背負わせて、すまない」
カインと同じ銀の髪。アイスブルーの瞳は不安に揺らめいている。
一番目立つオルディン家の特徴を受け継いでくれたことは、神に感謝しかない。
「わかりました。僕、精一杯がんばります」
あぁ、この顔は。
ブリュオー行きが決まったときにアベルが見せた諦めと新たな決意を抱いたあの時の顔と同じだ。
ーーアベル。
どんなに遠く離れていてもアルスはあなたの息子で、こんな形で終わらせる私の人生で唯一誇れる宝物。
子供らしく無邪気な時間を過ごさせてやれなかった。けれど、いつの日かアベルがこの地に戻ってきた時、少しでも肩の力を抜いて子供でいられる時間を与えてもらえたらと願う。
「一つだけ、お願いがあります。
どうかカインは遠くに行かないで。父でも母でも僕の親に変わりはないし、僕はカインが大好きだし。
僕を一人にしないでください」
アルスがカインにぎゅっとしがみつき、胸に顔をうずめた。
今まで大人顔負けでやり取りしていたアルスが見せる年相応の仕草に、カインの心はひどく痛む。
どこにも行かないで。その言葉にアルスの心の傷を知る。大好きだったアベルが去っていってしまったことに今でも深く傷を負っているのだと。
「もちろん。今まで通り毎日、君が眠るまで本を読んであげる。私はどこにも行かないよ」