砂上の城〜秘密を抱えた少年の数奇な運命
「危ないじゃないか、カイン!」
カインは、アベルの腕の中で青ざめ、震える唇をかんで目を伏せた。
ーー終わった。これで目付け役も解任だろう。
たった一週間とはいえ、これまで味わったことのない楽しい毎日だった。いつもは一人で過ごす長い時間も、アベルが一緒だとなぜかあっという間に過ぎてしまう。
カルヴィンに『カイン」という愛称を付けて親しげに呼んでくれることも嬉しかった。そんな存在は今までいなかったから。
「殿下を危険な目にあわせてしまい、申し訳ございません。私など、放っておいてよかったのに」
「俺は平気だ。怪我もない。普段から鍛えてるからな。
だがな、カイン。落馬で命を落とすことも珍しくないんだ。気をつけろ。
それにしても意外と勝気なんだな。
なに、お前ならすぐに乗りこなせるようになるさ。
俺が教えてやる」
「…え?」
もう、来るな。そんな言葉が来るとばかり思っていたカインは、少々面食らう。
アベルはいつもの底抜けに明るい笑顔でカインを馬の側に連れて行き、馬の乗り方を教え始めた。
父は護身の為の武術や剣術は教えてくれたが乗馬は禁じていた。
カインが乗馬によって一人で行動できる範囲が広がることを許さなかった為だ。
そんなこととは知らず、アベルはカインに乗馬を教えた。案の定カインはすぐに乗りこなせるようになる。
万事がこんな感じだった。二人は互いに足りないものを補い合いうまくいっていった。
師レオポルトの目論見は見事に当たったのだ。
カインは、アベルの腕の中で青ざめ、震える唇をかんで目を伏せた。
ーー終わった。これで目付け役も解任だろう。
たった一週間とはいえ、これまで味わったことのない楽しい毎日だった。いつもは一人で過ごす長い時間も、アベルが一緒だとなぜかあっという間に過ぎてしまう。
カルヴィンに『カイン」という愛称を付けて親しげに呼んでくれることも嬉しかった。そんな存在は今までいなかったから。
「殿下を危険な目にあわせてしまい、申し訳ございません。私など、放っておいてよかったのに」
「俺は平気だ。怪我もない。普段から鍛えてるからな。
だがな、カイン。落馬で命を落とすことも珍しくないんだ。気をつけろ。
それにしても意外と勝気なんだな。
なに、お前ならすぐに乗りこなせるようになるさ。
俺が教えてやる」
「…え?」
もう、来るな。そんな言葉が来るとばかり思っていたカインは、少々面食らう。
アベルはいつもの底抜けに明るい笑顔でカインを馬の側に連れて行き、馬の乗り方を教え始めた。
父は護身の為の武術や剣術は教えてくれたが乗馬は禁じていた。
カインが乗馬によって一人で行動できる範囲が広がることを許さなかった為だ。
そんなこととは知らず、アベルはカインに乗馬を教えた。案の定カインはすぐに乗りこなせるようになる。
万事がこんな感じだった。二人は互いに足りないものを補い合いうまくいっていった。
師レオポルトの目論見は見事に当たったのだ。