砂上の城〜秘密を抱えた少年の数奇な運命
「え?」

少年が目にも止まらぬ早さで歩兵の腰に差していた剣を抜き、歩兵の首に剣先を向けた。
馬車に目をやっていた歩兵は完全に油断していて、なすすべもなかった。

「ここへ来た本当の目的をお聞かせいただきたい」
「お、落ち着け、小僧」

一瞬の出来事に、腕に覚えのある兵士たちもあっけに取られる。

「剣はおもちゃじゃないぞ。
俺達は危害を加えに来たわけじゃない。本当だ。
さぁ、その剣をこっちによこしな」

ニコニコ笑って歩み寄り、少年の腕をつかもうとした別の兵士は少年に足をすくわれてその場に転げた。

「おい、お前ら何をやってるんだ、子供相手だぞぉ」

周囲からケラケラと笑い声が起きる。転ばされた兵士もヘラヘラと笑って頭などかいている。
少年に対して警戒心はゼロだ。



< 191 / 246 >

この作品をシェア

pagetop