砂上の城〜秘密を抱えた少年の数奇な運命
その王国の名は『フォトキナ』という。
海に面し、二本の大河に挟まれたフォトキナ王国は豊かな国だった。

現国王リアルド二世は温和な人物で、国民からの信頼も厚い。
そんな彼には二人の息子がいた。


王位継承権第一位の長男ディアルド。
しっかり者で優秀で、真面目で勤勉な努力家。

その五歳下の次男アルベルト。
周囲には愛称で『アベル』と呼ばれる彼は、兄とは正反対のとんでもない“悪ガキ”だった。


壁の肖像画に落書きをしたり。
城の至る所に秘密基地を作っては家庭教師をまいて逃げ隠れたりと、とにかく毎日キリがないほどの腕白ぶり。

王位継承者のディアルドが真面目な模範生だったため、アベルのことを父王は自由奔放にさせていた。


だが、アベルのイタズラはエスカレートしていく一方。
流石に目に余る行動に周囲も黙っていられなくなる。

手に負えなくなったリアルド二世は、王子達の家庭教師にして、フォトキナ王国屈指の頭脳、宰相のレオポルトに相談した。
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