砂上の城〜秘密を抱えた少年の数奇な運命
「このまま目覚めなかったらどうしようかと思った。
俺をこの世界に一人置いていかないでくれよ」
「馬鹿なことを。殿下には婚約者がいらっしゃるのに」
多く言葉を発し過ぎたのか、不意に身体中に耐えがたいほどの痛みが走った。ぼんやりしていた頭は痛みで一気に覚醒する。
ーー夢じゃない。この痛みは現実だ。
痛みに顔をしかめたカインの頬をアベルが優しく撫でた。
「無理するな。とっさに受け身をとっていたから無事だったものの、命を落としてもおかしくないくらいの怪我だ」
アベルの姿の向こう、窓の外に月が見えた。
あの欠け具合をみるに、少なくとも5日は経っている。
俺をこの世界に一人置いていかないでくれよ」
「馬鹿なことを。殿下には婚約者がいらっしゃるのに」
多く言葉を発し過ぎたのか、不意に身体中に耐えがたいほどの痛みが走った。ぼんやりしていた頭は痛みで一気に覚醒する。
ーー夢じゃない。この痛みは現実だ。
痛みに顔をしかめたカインの頬をアベルが優しく撫でた。
「無理するな。とっさに受け身をとっていたから無事だったものの、命を落としてもおかしくないくらいの怪我だ」
アベルの姿の向こう、窓の外に月が見えた。
あの欠け具合をみるに、少なくとも5日は経っている。