砂上の城〜秘密を抱えた少年の数奇な運命
カルヴィンの視線がゆっくりと頭上へと移された。
呆れるほど、はっきりした気配。息を潜めたつもりでいるようだが、身体中からあふれる好奇心がそこに彼の存在を容易く教えてくれる。
「はじめまして、アルベルト王子殿下。
カルヴィン・オルディンと申します」
時計の針の音しかしなかった静かな部屋に、カルヴィンの澄んではっきりした声が響いた。
カルヴィンが天井に向かって挨拶すると、ガタガタと大きな音を立てて天井板が一枚外れた。
そこから埃まみれのアルベルトがひょっこり顔を出す。
はちみつ色の美しい巻毛には蜘蛛の巣が絡まり、薄い茶色の瞳は好奇心からかキラキラと輝いている。
「へぇ。俺を見つけるとは、大したヤツだな。
驚かないの?」
カルヴィンは自分の感情をコントロールするのに慣れていた。滅多に喜怒哀楽を表に出さず、常に平常心。よって冷静な分析力や判断力に優れていた。
「驚きましたよ。王子が頭に蜘蛛の巣をつけて天井からいらっしゃるのですから」
「チェッ」
カルヴィンの反応が不満だったのだろう。
アルベルトは、口を尖らせると一旦天井の向こうに頭を引っ込め、外した板を元に戻した。
それから間もなくして、今度は師レオポルトと共にきちんと扉から颯爽と姿を現した。
呆れるほど、はっきりした気配。息を潜めたつもりでいるようだが、身体中からあふれる好奇心がそこに彼の存在を容易く教えてくれる。
「はじめまして、アルベルト王子殿下。
カルヴィン・オルディンと申します」
時計の針の音しかしなかった静かな部屋に、カルヴィンの澄んではっきりした声が響いた。
カルヴィンが天井に向かって挨拶すると、ガタガタと大きな音を立てて天井板が一枚外れた。
そこから埃まみれのアルベルトがひょっこり顔を出す。
はちみつ色の美しい巻毛には蜘蛛の巣が絡まり、薄い茶色の瞳は好奇心からかキラキラと輝いている。
「へぇ。俺を見つけるとは、大したヤツだな。
驚かないの?」
カルヴィンは自分の感情をコントロールするのに慣れていた。滅多に喜怒哀楽を表に出さず、常に平常心。よって冷静な分析力や判断力に優れていた。
「驚きましたよ。王子が頭に蜘蛛の巣をつけて天井からいらっしゃるのですから」
「チェッ」
カルヴィンの反応が不満だったのだろう。
アルベルトは、口を尖らせると一旦天井の向こうに頭を引っ込め、外した板を元に戻した。
それから間もなくして、今度は師レオポルトと共にきちんと扉から颯爽と姿を現した。