砂上の城〜秘密を抱えた少年の数奇な運命
「俺がアルベルトだ。アベル、と呼んでくれ」
アベルの差し出した手を、カルヴィンは軽く握った。するとアベルが両手で指と指を絡ませるようにぎゅっと握り返した。
とたんにアベルはニヤリと口元を歪め、薄い茶色の瞳をさらに輝かせながらカルヴィンを見つめる。
だが、カルヴィンは冷静そのもの。アベルの手から握らされた虫の死骸を顔色ひとつ変えずに観察した。
「これは、ずいぶんと大きなドレイ虫のメスですね。この様子だと卵を産んだ後かな。 卵を産むために交尾したオスを食べるんですよね。
一緒のコレは、食べ残しかな」
「なーんだ。大抵のヤツならこれですぐビビるんだけどな。ドレイ虫のメスと食われたオスの頭だけなんて、最高の組み合わせなのに」
カルヴィンは淡々と虫の死骸を窓から投げ捨てた。
「虫は嫌いではないので。
改めまして。私はニックス・オルディンの長男でカルヴィン・オルディンと申します」
カルヴィンは、手をハンカチで拭いアベルに深々と頭を下げた。
アベルの差し出した手を、カルヴィンは軽く握った。するとアベルが両手で指と指を絡ませるようにぎゅっと握り返した。
とたんにアベルはニヤリと口元を歪め、薄い茶色の瞳をさらに輝かせながらカルヴィンを見つめる。
だが、カルヴィンは冷静そのもの。アベルの手から握らされた虫の死骸を顔色ひとつ変えずに観察した。
「これは、ずいぶんと大きなドレイ虫のメスですね。この様子だと卵を産んだ後かな。 卵を産むために交尾したオスを食べるんですよね。
一緒のコレは、食べ残しかな」
「なーんだ。大抵のヤツならこれですぐビビるんだけどな。ドレイ虫のメスと食われたオスの頭だけなんて、最高の組み合わせなのに」
カルヴィンは淡々と虫の死骸を窓から投げ捨てた。
「虫は嫌いではないので。
改めまして。私はニックス・オルディンの長男でカルヴィン・オルディンと申します」
カルヴィンは、手をハンカチで拭いアベルに深々と頭を下げた。