砂上の城〜秘密を抱えた少年の数奇な運命
舞踏会当日。

大きな瞳を好奇心で輝かせて、サラはまるで太陽のように周囲を明るく照らす。
人見知りであまり社交的ではない国王と王妃に代わって、来賓をもてなす様子は『やっとフォトキナにも明るい兆しが見えた』と揶揄された。

政治的な意味合いが強い婚姻関係の王妃よりも、本当に気に入った愛妾の方が国王に対する発言権は強く、時には国王を動かすこともできる。迎賓たちはそれを十分に分かっていて、サラに群がっていた。

「オルディン公爵、この度はおめでとうございます」
「ありがとうございます」

オルディン公爵としてサラの傍らに立つカイン。わずかに口角を上げ微笑を貼り付けながら、多くの祝辞に答えていた。

本来であればこれは父親の役目だ。だが、今宵は父の跡をついだカインの役目となっていた。
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