タイムスリップなんて聞いてない
ふわり、と着物が揺れる。 


やっと意識が元に戻ってきたのかな。


「何してんだ私は…」


チラリ、と横を見ると土方さんと藤堂さんが
こちらを見て固まっていた。


まぁいいや。


見なかったことにするか。


眠い…。


ゆったりと足を動かして部屋の襖を開ける。


そういえば、ボクはなんのためにこの時代に来てしまったのだろうか?


よく見るトリップ小説では何かしら目的だとかがあるものだと思うのだけれど。


ううん、よくわからない。


まぁ、難しく考えず、このままいるか。


でも何かしないのもまた嫌だ。


今は夜中だし、明日でもいいかな。


あ、今起きたからあんまり眠くないや。


どうしよう、暇になっちゃった。


いや、外に土方さん達がいたか。


会いに行こっと。


もう一度ガラッと襖を開ける。


とてとて、と、効果音がつきそうな歩き方。


まぁいっか、なんとなくこの歩き方好きだし。


「土方さーん」


少し寝起きだから声低いかも。


あれ、さっきのとこいない。


まぁ適当に暇だから声かけただけだから
いいかな、別に。


夜中だから居ないのも当たり前だしなぁ。


あ、そうだ!


新撰組にトリップってなると、
主人公の後ついてくる人いるよね。


「山崎さーん」


いるかどうかは確証ないけど。


でもなんとなくいる気がする。


いなかったらただの寂しい奴だけど。
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