恋の忘れ方、怖がりな君の愛し方。【番外編追加】

まさかこんな時間になっていたとは露知らず、どうしようと慌てる私を見て砂川君が肩を揺らして笑う。

「時間早く言えばよかったな、ごめん。明日も仕事?」

「ううん、明日は土曜日だから休みだけど…」

「良かったな。まぁとりあえず家まで送るから、そんな慌てるなよ」

そんな砂川君の発言に、とんでもないと私は両手を横に振った。
部長にしつこく家に誘われていた所を助けて貰い、失神して気を失った私をわざわざここまで連れてきてくれて寝かせてくれて、PTSD?の説明までして貰った上に、家にまで送ってもらうだなんてとんでもない。

いくら高校時代仲の良かったクラスメートであったとしても、そんなに甘えられない。

「大丈夫!私一人で帰れるから。本当ここまでしてくれただけで感謝してもしきれないし。今からでも電車に乗って…」

「終電、もうとっくに過ぎてると思うけど」

「…あ」

時間はとっくに12時を回っているのだから当たり前だと言われて気がつく。

どうしよう、いつも持ち歩いてる現金は1万円前後で、今日のお昼ご飯代とさっき飲み会の会費で合計七千円は払ったから残額は三千円だ。タクシーで帰るとなると、果たしてここから家まで三千円で足りるかどうか…。
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