恋の忘れ方、怖がりな君の愛し方。【番外編追加】
「ありがとう、砂川君」
「・・・正直驚いた、だいぶ良くなったな。無理はしてないか?」
「うん、大丈夫」
病気がだいぶ良くなっているかどうかはまだよく分からない。今のは相手が砂川君だから出来た事で、PTSDの病気の回復はまだまだ先の事なのかもしれない。
それでも、砂川君が相手でも、近づかれる事や触れられる事をビクビクと怖がっていた前の私に比べたら・・・やっぱり、大きな進歩なのかな。
砂川君のおかげだ。
全部、全部、砂川君がいつも助けてくれたから。
「砂川君、本当にありがとう」
「何だよ相澤、急に改まって」
だからこそ、もう甘えられない。──・・・大切な人に、危険を負ってまで自分を守って欲しいと思う人なんてきっといない。
そんな事を思うなら、きっとその人の事が本当に大切ではないのだ。
「砂川君・・・私ね、実家に帰ろうと思うの」