恋の忘れ方、怖がりな君の愛し方。【番外編追加】
「だから、羽瀬君も私に関わっちゃ駄目!他の誰かが自分のせいで傷つくくらいなら、死んでしまった方がずっといい!だから降ろして下さいっ、お願いだから放っておいて・・・!」
こうしている間に、天津が羽瀬君の存在に気づいたらどうしよう。私が羽瀬君と一緒に居ることがばれたらどうしよう。羽瀬君が天津の標的になったらどうしよう。
だから、お願いだから放っておいて欲しい。
そう涙ながらに訴えたにも関わらず、運転席に座る羽瀬君は返事をしてくれなかった。
それどころか、サイドブレーキを引いて、アクセルを踏んだ。
エンジン音が響き、目を見開く私をよそに車が進み出してしまう。
「嫌です、だから私クリニックには戻りたくないってあんなにっ」
「誰が強制送還するって言った。よく見てみろ、クリニックとは逆方向だろ」
「え・・・」
そんな羽瀬君の言葉に、確かに車はクリニックとは逆方向の道を走っている事に気がついた。
てっきりクリニックに連れ戻されると思った手前、一瞬胸を撫で下ろす。
だがすぐに、だったら何処に私をつれて行くつもりなのかとハッとする。
「羽瀬君、降ろして下さい」
「・・・・。」
「何処に向かってるんですか」