恋の忘れ方、怖がりな君の愛し方。【番外編追加】

エントランスをくぐり、エレベーターを最上階まで昇り、駐車場から羽瀬君の部屋にたどりつくまでに随分と時間を要したような気がする。

羽瀬君が部屋のドアをカードキーで開き、中に入るよう表情で促す。

躊躇うようにわざと顔をしかめてみせると、羽瀬君がゆっくりと私の体に手を伸ばす。

「また触られたいか?」
「・・・・・っ」

そんな羽瀬君の言葉に私は反射的に首を振った。







「沙和、コーヒーでいいか?」
「あ、えっと、ほんとにお構いなく…」

部屋中ガラス張りの広く単色な部屋に通され、その落ち着かなさに思わず肩が小さくなる。

(凄い、ホテルの一室か何かみたい…ってこんな広いところに泊まったこともないんだけど)
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