恋の忘れ方、怖がりな君の愛し方。【番外編追加】

「えーと、その友達ってまさか、もしかして1人暮らしだったり?」
「……」
「あらぁ」

──無言の肯定だ。

(これは大変だわ)

姉の目から見ても、我が弟が沙和ちゃんに惚れ込んでいる事は一目瞭然だった。

隼斗は昔からいつも女性関係には冷めている所があって、受け身ではない恋愛をしている隼斗を未だかつて見た事がなかった。

だから、沙和ちゃんに対する優しさや気遣い、初めて見るような隼斗の表情を見て驚いたのだ。そしてそれをみて安心したのだが…。

隼斗の好きな人が隼斗の友達と住食を共にする展開なんて誰が想像できたろう。
想定外、想定外すぎる。

隼斗は涼しい顔を装っているようだが、内心は穏やかでない事くらい野暮ではないのだから分かる。
< 213 / 286 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop