恋の忘れ方、怖がりな君の愛し方。【番外編追加】

どんなお菓子をプレゼントするのがいいか綾香と話しながら棚に並ぶ沢山の商品の前でいくつか睨めっこする。結局、少しだけ迷ってから当社で一番人気のチョコレート菓子の限定盤を買うことにした。

その箱を棚から取り、小さく深呼吸する。

「頑張れ沙和。私ここで見てるから」

そう言って綾香が綺麗な瞳を片方だけパチリと閉じて私の背中をポンとおした。

「が、頑張るね」

そう言って力強く頷いた後に、男性の店員さんのレジに向かう。心臓が不安定な拍を刻み、箱を持つ手が少し震えた。


「いらっしゃいませ」


レジの前まで辿りつき、店員にそう営業スマイルを向けられ思わずビクっとする。

(大丈夫、怖くない。怖くない)

「お…お願いします」

そう言って恐る恐るお菓子をレジ台に置いた。

「お預かりいたします。
こちら一点で、お会計560円になります」
「あっ、は、はい」


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