恋の忘れ方、怖がりな君の愛し方。【番外編追加】


「その時、
まだ天津先輩に気持ちがあったのか?」


砂川君からの思いがけない質問にビクっとする。

…誰にも言ってなかった。
言えなかった。

お姉ちゃんの結婚相手が自分が元々付き合っていた人で、初恋で、別れた後も好きだったなんて。

呪いのように消えない恋心。これは罪だと自分でもわかっていて、何度も打ち消そうとして、でもどうしても出来なかった。

墓場まで持って行こうと心に決めていた忌まわしい秘密を、今、砂川君の前で頷いて肯定した。


「その頃から、私はストーカーにあうようになって。あ、でも、何か危害を加えられた訳でもなくって、何かいつも視線を感じるな、とか、そういうあやふやな予感がしてただけで…。

おかしな電話がかかってきたこともあったけど、それもその人だとは限らないからって、証拠もないのにそんな事を言うのは恥ずかしいと当時の私は、思ってて。お姉ちゃんも天津先輩も幸せそうなのに、こんな話しちゃいけないと、思ってて、でも…っ」


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