恋の忘れ方、怖がりな君の愛し方。【番外編追加】
「お母さんはお姉ちゃんの事が大好きだったから、お葬式が終わって暫くした頃にショックで倒れてしまって、入院する事になって。
家には、天津先輩と、私だけになった」
それが、全ての始まりだった。
「ある日、朝起きて、泣きながらいつものようにお姉ちゃんの仏壇に手を合わせていた時に、急に、背後に気配、感じて…
そしたら、天津先輩が立っていて、私の耳元で、それで….」
──ねぇ、謝ってんの?沙菜のかわりに生きていてごめんって。ねぇ、沙菜を身代わりにしてごめんって。でも謝っても沙菜は帰ってこないよなぁ。
じゃあ、お前は忘れ形見になれよ。
──痛いか?痛いか?
でもなぁ、沙菜はもっと痛かった。
沙 菜 は も っ と 痛 か っ た。
「あ…」