恋の忘れ方、怖がりな君の愛し方。【番外編追加】
「相澤、よく頑張ったな。今日の想像エクスポージャーの治療はここまでにしよう」
そう言って砂川君が机のレコーダーのボタンを押す。
「え…」
──相澤が話した事で俺がどう思うかは気にせず、今から45分間、トラウマに関する記憶を全部語ってみて。
まだトラウマについて語り出してからの時間は、全く45分間という最初に砂川君に指定された時間に届いていない。
そう考えていた事が顔に出ていたのか、砂川君が不安そうな表情を浮かべる私を見て小さく笑う。
「この治療は初めてだったんだから、そう気を落とさなくていい。無理をするのは良くないからな」
「………。」
治療の途中で過呼吸を起こしてしまったのだから、無理をするのは良くないからと治療を中断される事になっても仕方が無い。