恋の忘れ方、怖がりな君の愛し方。【番外編追加】
(どうしよう。どうすればいいの?)
辛そうな沙和を前に、何もしてあげられない。精神病の患者に救急車を呼ぶのはやはり畑違いだろうか。…分からない。精神病の症状の対処の仕方なんて知らない。
沙和の高校の頃の同級生でイケメンの主治医の事を質問している暇があったら、もっと詳しく病気についての話を聞いておくんだった。
そう後悔してギリっと唇を噛んで、ハッとした。
イケメンの主治医…
(…あ、砂川君)
そうだ。
砂川君に、聞けば良い。
「沙和、ちょっとごめんね」
そう言って急いで沙和の上着のポケットに手を入れ、沙和のスマホを取り出す。