恋の忘れ方、怖がりな君の愛し方。【番外編追加】
「…それで、私が沙和にしてあげられる事はありますか?」
焦ってそう尋ねる私に、私とは対照的に落ち着いた様子の優しい声が応えた。
『連絡ありがとうございます。それじゃあ、相澤の背中をゆっくり一定のリズムでたたいてあげて下さい。』
「はい!」
『あと、この通話をスピーカーに変えて、携帯を相澤の側に寄せてくれますか?』
「分かりました」
電話越しの砂川君の声に頷き、震える沙和の背中に右手で優しく触れながら、スピーカーに切り替えた通話状態のスマホを左手沙和の近くに伸ばした。
『相澤、聞こえる?』
スマホ越しの声がそう沙和に問いかけた時、一瞬だけ沙和の震えが止った気がした。
『相澤、俺の声が聞こえてたら頷いて』